うめちび さんの合格体験記
【1】 受験動機
簿記が好きだった。これがそもそものきっかけです。では、会計資格ではなく、税理士だったのかというと、ニーズがあったからということになります。
私は、大学卒業後現在まで、商社や金融会社といった一般企業に勤務しております。
営業、管理部門共経験しましたが、何か案件を取組む際、間違いなく税務は検討すべき最優先事項となります。顧客や社内のニーズに応える、これが税理士受験の動機でした。
【2】 税理士取得のメリット
私は現在、金融会社の経理部においてグループ会社全体の税務を専門とした業務に就いております。税理士を取得してあらためて感じるのは、税務というものが営業担当者はもちろん、会計専門の担当者から見ても敷居の高い分野と思われているということです。従い、税務知識を習得している、税理士試験合格という高いレベルの知識を取得している(と思われる)者に対する評価は高いといえます。
また、海外現地法人とも国際税務問題を議論するケースがありますが、英語力よりも税務の専門性が交渉相手の信頼を勝ち得る道具であることを何度も痛感しました。
実務でも勉強の毎日ではありますが、受験勉強で習得した知識は、あらゆるビジネスの現場で活用、評価されるものと言えます。
【3】 勉強方法
(1)働きながらなら一年一科目
前述の通り、わたしは一般企業に勤めながらの受験生でした。残業、休日出勤もあり、まとまった勉強時間の確保ができませんので、受験については、一年一科目としました。
(2)通学か通信か
税理士受験については、簿記論、財務諸表論は大原簿記学校へ通学し受講しましたが、税法三科目は結局、映像付きの通信教育で受講しました。ただし、実力判定公開模擬試験や直前答練は学校で受けました。
通学受講はどうしても疲れから眠気に負け、授業の内容が頭にはいらないこともありましたので通信にしましたが、わたしには自分のペースで勉強できる通信があっておりました。
(3)理論の勉強法
理論の勉強(暗記)をするのは通勤時の電車の中のみです。
最後に所得税法に合格したときは、大原の理論サブノートをメインにしながらも、TACの理論マスターに記載されている項目を理論サブノートに書き込んでおりましたが、これは本番で威力を発揮しました。理論サブノートや理論マスターは条文のダイジェスト版でもあり、必要最低限の内容となります。両校のテキストをチェックする多少の手間だけでその効果は大きいと言えます。
そして、理論学習で、何よりも重要なことは内容を理解することです。仕事上、国税局OBの方と話をする機会も多いのですが、出題者の求める回答の柱が書かれているかが重要であり、要旨を自分の言葉でわかりやすく書くテクニックも必要になります。
(4)計算の勉強法
テキストと個別問題集中心の学習で問題ありません。結果を見ると、いかに基本問題を落とさなかったかということが合否の分かれ目になっているものと思われます。
また、テキストの読み返し、特に本番直前のテキストの読み返しは効果大です。
【4】 受験生へのメッセージ
わたしは官報合格まで結局8年かかりましたが、受験勉強は趣味みたいなものと思っていました。だから継続できたのかもしれません。
税理士試験というのは合格まで大概長期間を要し、単に資格取得を目的とするなら非生産的なものです。合格体験記としてふさわしくないかもしれませんが、もし、受験が苦痛になったら即やめるというのもありだと思います。
とはいうものの、税務の仕事というのは実務で経験すればするほど奥が深く、わたしのように嵌る人は嵌ります。税理士取得でそのおもしろい世界は確実に広がりますので、税務への興味が失われないのであれば、何年かかっても受け続ける、この選択もまたありだと思います。