小林英正さんの合格体験記
【1】受験動機
ありがちではありますが、日商簿記検定を受検したのがきっかけです。
大学卒業後、就職しなかったので、軽い気持ちで簿記検定の勉強を独学で始めました。3級、2級までは楽に取れましたが、1級は独学では難しく、学校に通うことにしたのですが、どうせ通うなら税理士試験にしてしまおう、というのが最初です。
【2】税理士取得のメリット
現在、私は独立開業していますが、税理士法人や税理士事務所に勤める、という働き方もよいと思います。私は一般企業の経理が長いので、その観点から税理士取得のメリットを考えると、一般企業の経理レベルだと、複雑で毎年改正される税法についていけてないのが現状だと思います。自社に関係するもののみの改正を習得することも出来ていない人が多いです。そんな中で一人だけでも、税法に詳しい人がいれば、大きなイニシアティブになると思うので、一般企業の経理として勤めたとしてもメリットは大きいと思います。
【3】勉強方法
(1)働きながら or 専念
長い受験生活では色々なことがありました。働きながら受験した年もありますし、専念した年もあります。ただ不思議なのは、5科目全て合格した年は働きながらだったことです。前年に専念して力を伸ばして翌年結果が出た、と言えないこともないので、一概に働きながらのほうが良い、とは言い切れませんが、働きながらの方が締め切り効果が大きかったと思います。
(2)通学か通信か
簿記論、財務諸表論受験中のときは、学校がある日は早上がり、という約束を取り付けて働いていたので、通学でしたが、税法に入ってからは、会社も変わり、夜クラスに間に合わなくなってしまったので、働きながらのときはWeb受講、専念のときは通学、にしていました。合格した年は税法3科目ともWeb受講だったので、自分を律してスケジュールどおりに受講する、次の受講までに課題を必ず終わらせる、など出来る人は、Webでも十分合格できると思います。
(3)理論の勉強法
はじめて暗記する項目については、まず解説を読んだり、同じ項目の計算を解いてみたりして理解をし、その後、自宅で周りに気遣いの要らない場所で、声に出して暗誦できるように繰り返し覚えました。そこまでできたら、あとは職場や電車の中などで時間があればテキストを見て、声に出さないまでも口を動かして暗誦できるようにしました。大原の理論テキストは全てスキャンを取ってiPadに入れて、毎日持ち歩いていました。iPadでWeb受講も出来るので、かなり効率的だったと思います。
(4)計算の勉強法
ともかく授業を受けたら、課題をこなすことだとおもいます。個別問題が解けないようだと総合問題や答練を解く時期に困るので、まずは個別を解き、出来ないところを克服し、の繰り返しでした。答練期に入ってからは、時間も意識して解き、しばらく経ってその問題を忘れたころにまた解きなおす、という繰り返しですね。私の場合、計算は得意だったので、勉強することがそれほど苦ではなかったです。
【3】受験生へのメッセージ
官報合格まで私もかなりの時間がかかってしまいましたが、受かってしまえば何年かかった、なんてことは関係なくなってしまいます。
税理士試験は過酷であり、途中でやめる人が圧倒的に多いわけではありますが、官報合格までたどり着けば、人生の大きな転換期になるはずです。
人それぞれ、状況や環境は違うと思います。勉強をしなくても誰かに怒られるわけでもありませんし、すぐに何かがかわるわけでもありません。不合格通知が来るだけです。誰に何かを言われるわけでもなく自主的に勉強して、何科目か受かったなら、あと少し、官報合格まで頑張ってみませんか?
受験生時代のことを他の人から聞いてみると、みんな「人に歴史あり」です。
今度はあなたが官報合格を勝ち取って、千葉青税に来て、あなたの歴史を私に教えてください。その日が来るのを楽しみにしております。